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木谷きだに小学校は、山口県岩国市いわくにしに位置する廃校である。閉校後は「木谷峡自然の家」として、キャンプなどの野外活動の場に利用されていた。

木谷峡は源氏の追討ついとうから逃れた平家の落人おちうど隠遁いんとんしていた地として知られ、落人に追われ足を滑らせた鹿が落下したことから名付けられた「鹿落ちの滝」や、落人たちの住居跡「平家屋敷跡」などの観光名所が存在する。

紅葉と渓谷の秘境

木谷小学校

創立は明治16年1883昭和43年1968に閉校となった。
根元から玄関のひさしが折れている。老朽化が進み「満身創痍まんしんそうい」という言葉がピッタリである。

別名「もみじ峡」とも呼ばれる木谷峡は、秋になると紅葉と渓谷の美しさを一目見ようと多くの観光客で賑わう。しかし、それ以外の時期は閑散かんさんとした寂しさを感じる。

庇の裏側へ。まるで巨人に叩き割られたかのようだ。

床が抜けている。まずは講堂を見て行こう。

古い校舎には似つかわしくないソファー。閉校後に持ち込まれたものだろう。

講堂

生憎あいにくの天気だが、時折太陽が顔を見せる。日が差す窓際は非常に美しい。

階段横の壁に寄付者の名前が並んでいる。

壊れた壁に向かって踊り場の床が傾いている。ここを通るのは中々怖い。

2階で床を踏み抜けば大怪我はまぬがれない。慎重な行動が求められる。

教室

授業を行うための教室は2部屋のみである。1,2,3年生と4,5,6年生で分かれている。

レトロなテレビと、見慣れない椅子が残っている。

吟遊詩人ぎんゆうしじん※1の教室には、楽器ごとに担当の児童の名前が書かれている。ここで演奏会などを行っていたのだろうか。

中国地方には、まだまだ魅力的な廃墟があふれている。全てを訪れると、どれだけの時間を要するのだろうか。各地を転々とする私は「吟遊詩人」という言葉に少しだけ親近感を覚えた。

廃墟評価

廃墟退廃美A
到達難易度A
廃墟残留物B
崩壊危険度S
廃墟化年数S

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脚注

※1^ 恋愛歌などを歌いながら各地を遍歴する人々を指す。

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