河野小学校は、高知県香美市の河野集落に位置する廃校である。
創立は明治5年。統合により、昭和52年に閉校となった。
残されたレトロ家電
かつての校庭には、雑草が生い茂っている。夏場は近づくことは疎か、校舎の視認すら難しいはずだ。
門柱には「昭和九年四月」と書かれている。現存する校舎は、この頃に建てられたものだろうか。
何故か軽トラが放置されている。
中へ入ると、可愛いマスコットが「ばぁ~」と出迎えてくれた。
保存状態の良い美しい廊下。閉校から40年以上の年月が経過しているものの、思ったほど校舎は傷んでいない。
懐かしい座高計が残っている。座高測定は「健康管理に関係が無い」との理由で、平成28年に診断項目から除外された。
そもそも、座高測定は徴兵制度を意識し始まったものである。当時、胴長は内臓が発達した健康体であると信じられていた。
ダイヤル式のレトロなブラウン管テレビ。昭和にタイムスリップしたような気分だ。
兎の耳のような可愛いアンテナ。後に調べてみると、このアンテナの正式名称は「ラビットアンテナ」であった。私の感性は、どうやら正しかったようだ。
他にも2台テレビが残っている。年代的にどちらが古いのだろうか。
林業全盛期には30人ほどの児童が通い、閉校後は集会所として使用されていた。
小学校の掃除時間のような光景。ふと懐かしさが蘇る。
黒板に残る訪問者のメッセージ。辺鄙な場所でありながら、訪問者は思いの外多い。
異国の少女
動物を抱いた、異国の少女のジグソーパズルが立て掛けてある。物悲しい表情が非常に印象的だ。
河野小学校は既に解体が決まっているため、近いうちに悲しい報せが届く。たとえ校舎が更地になったとしても、脳裏に焼き付いた少女の表情を私は忘れることは無いだろう。
廃墟評価
廃墟退廃美 | A |
到達難易度 | A |
廃墟残留物 | B |
崩壊危険度 | B |
廃墟化年数 | A |
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