対向車が来ないことを祈りつつ、美馬市の山奥の狭い道をひたすら走る。漸く見えてきた校舎が、昭和62年から休校中の長尾小学校である。
休校とは名ばかりで校舎は老朽化し、最早学校を再開出来る状態ではない。事実上の廃校というわけだ。
点在する集落

この辺りは集落が点在しており、同じように休校となっている学校がまだまだ残っているはずだ。

教室には二段ベッドが幾つも残っている。宿泊施設として利用されていたのだろうか。

苔生した廊下に壊れた窓から優しい光が差し込む。
奥の教室には、学校中の備品が押し込められていた。

窓はトタンで塞がれ、非常に薄暗い。子供たちの笑顔が輝いていた教室とは程遠い様相だ。

並べられた魚の液浸標本が、気持ち良さそうに日向ぼっこをしている。
骸骨の廃校

廃墟マニアの間で「骸骨の廃校」と呼ばれている長尾小学校には、奇妙な学校生活を送り続ける者がいる。訪れる度に居場所が変わる骨格標本である。
教室の椅子に座ってみたり、窓際で日向ぼっこをしてみたり、校庭に出てみたり。その姿はまるで、青春を謳歌する嘗ての子供たちのようであった。
廃墟評価
| 廃墟退廃美 | A |
| 到達難易度 | A |
| 廃墟残留物 | A |
| 崩壊危険度 | B |
| 廃墟化年数 | A |
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