忠海永楽院は、広島県竹原市に位置する廃火葬場である。
平成13年に発生した芸予地震で被災し、不使用のまま放置されている。
大八霊柩車
付近に車を停め、笹藪を掻き分けていくこと5分。忠海永楽院へ辿り着いた。
このお知らせが無ければ、火葬場とは分かり辛い外観をしている。
東日本と西日本では、火葬後の収骨方法に実は違いがある。
東日本では全ての遺骨を収骨する「全収骨」が一般的で、西日本では喉仏などの主要な遺骨のみを収骨する「部分収骨」が一般的である。
中へ入ると、中央に焼香台がある。
無残に破壊された菩薩像と終始目が合い、流石の私も気味が悪くなってきた。
忠海永楽院には、貴重な大八霊柩車が残っている。
大八霊柩車とは、大八車に輿を乗せた人力の霊柩車で、国内で広く普及している宮型霊柩車の原形と言われている。
火葬炉は、新旧合わせて3基備えられている。
この台車に、棺が載せられていたのだろう。
因みに、火葬炉には「台車式」と「ロストル式」の2種類があり、国内の火葬場では主に台車式の火葬炉が採用されている。
普段まじまじと見る事の出来ない設備を、時間の許す限り見て回れる。
廃墟探索というよりは、大人の社会科見学である。
火葬炉の裏側には、燃料の入ったドラム缶が置かれている。
底から燃料が漏れているため、火気厳禁である。
廃火葬場という廃墟の性質上、ここは心霊スポットとして紹介される事が多い。
人が人の形でいられる最後の場所。安易な気持ちで、足を踏み入れるのは控えるべきだろう。
廃墟評価
廃墟退廃美 | C |
到達難易度 | B |
廃墟残留物 | S |
崩壊危険度 | C |
廃墟化年数 | B |
廃墟評価の詳細はこちら。