嘗て延岡市から高千穂町までの、総延長50kmを結んでいた高千穂鉄道高千穂線。廃止後も駅舎や線路が残っており、見学することが出来る。
今回は私が信頼を寄せている相棒と、お互い初めての廃墟へ足を運ぶ記念すべき日である。
全線廃止

深角駅は、起点の延岡駅から数えて17番目の駅である。昭和47年、国鉄高千穂線の駅として開業した。
高千穂線は平成17年の台風14号による増水で、橋梁の流出などの甚大な被害を受け運行を休止。その後、復旧の目処が立たぬまま、平成20年に全線廃止となった。

急斜面に建てられた深角駅は、アクセスの悪さと利用客の少なさから、秘境駅と呼ばれていた。

一日の平均乗車人員が二桁を切る年もあったといい、秘境駅の名は伊達ではない。

防水仕様の駅ノート。様々な思い出が詰まった大事な物だ。

廃線の保存には前向きのようで、定期的に草刈りが行われている。
線路へ降りるための階段も設けられており、見学もし易い。

しかし、廃墟の保存というものは非常に難しい。
人の手を加え過ぎると退廃美は失われてしまい、放置すれば瞬く間に荒廃が進んでしまう。

そういった点で深角駅は、保存のための整備と退廃美の塩梅が丁度良いと言える。
春は美しい桜の花が辺りを埋め尽くし、普段は閑散としている深角駅も花見客で賑わう。初めて足を運んだ廃線は、何としても再訪したいお気に入りの一つとなった。
廃墟評価
廃墟退廃美 | A |
到達難易度 | B |
廃墟残留物 | B |
崩壊危険度 | C |
廃墟化年数 | B |
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