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知行寺山稲荷大権現

知行寺山稲荷大権現ちぎょうじやまいなりだいごんげんは、香川県三豊市みとよしに位置する廃神社である。

穀物の神「宇迦之御魂神うかのみたまのかみ」を祀る神社を稲荷神社といい、総本宮は京都市の伏見稲荷大社である。知行寺山稲荷大権現も稲荷神社の一つで、宇迦之御魂神ぞくに「稲荷神」や「お稲荷様」と呼ばれる。

いもんた

鳥居

知行寺山稲荷大権現は香川県では言わずと知れた心霊スポットであり、通称「いもんた」と呼ばれている。いもんたの語源は、当時の地名「芋谷」が転訛てんかしたものだと言われている。他にも「集会所」を意味する方言などの説がある。

付近では、時折ときおり少年の霊や老爺ろうやの霊が目撃されている。心霊現象を信じていない私は、別世界への入口のような歪んだ鳥居に感動を覚えた。

白狐像

歪んだ鳥居をくぐると現れる白狐びゃっこ像。

古くから狐は稲荷神の神使しんし、もしくは神そのものとしてあがめられてきた。ついになった白狐像は、ここが稲荷神社であることを示すものなのだ。

知行寺山稲荷大権現が、心霊スポットとして有名になったきっかけは、ネット掲示板のとある投稿である。投稿によると、知行寺山稲荷大権現には呪われた一族が住んでいたが、一族全員が自殺をして滅亡してしまったというのだ。

勿論もちろん、これは作り話である。心霊スポットを好む者は、やたらと「自殺」という言葉を使いたがるものだ。廃ホテルなどは必ずと言っていいほど、オーナーが自殺したという噂話がセットで付いてくる。

生い茂る竹林、歪んだ鳥居、鎮座する白狐像。ネット掲示板の投稿を鵜吞みにし訪れた者が、廃神社の雰囲気に吞まれてしまうのは仕方が無いことだ。

普段は気にも掛けない物音にさえ敏感になり、それを霊障であると感じてしまい、根も葉もない噂話を広めていく。これが、知行寺山稲荷大権現の心霊現象の真実である。

心霊スポットと呼ばれる廃墟は、例外なく荒らされている。100歩譲って仮に霊がいたとして、自らたたられるような行為に及ぶ考えは理解しがたい。

きちんとした知識があれば、最恐の心霊スポットも、単なる美しい廃神社に過ぎない。人間の遺体を発見したことがある私にとって、心霊スポットで騒ぐ行為は、おままごと同然である。

廃墟を頻繁に訪れる者は、みな口を揃えてこう言う。「霊よりも生きている人間の方がよっぽど恐ろしい」と。

廃墟評価

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廃墟残留物B
崩壊危険度C
廃墟化年数B

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