かにの家 舞幸は、福井県南越前町に位置する廃ドライブインである。
今回は蟹に因んだ廃墟ということで、脳内BGMはPUFFYのあの曲。
蟹の町

日中は青々とした美しい日本海、夜間は漁火が光り輝く国道305号線は、通称「漁火街道」と呼ばれ、旅館やお食事処が軒を連ねる人気のドライブコースである。
漁火街道沿いの廃墟の中で、一際目を引くのが舞幸である。大小複数の宴会場を備え、越前がにが楽しめるドライブインとして人気を博していた。

1階は海産物の販売コーナーである。
車通りが多く非常に目立つにも拘わらず、一通り荒らされている。

ズラリと並ぶ空の冷蔵ケース。所狭しと海産物が並んでいたに違いない。

多くの人々で賑わっていたことが、嘘のように静まり返っている。

飲食店で働いた経験があるが、ここまで大きな食洗機は目にした事が無い。当時の繁忙ぶりが窺える。

諸説あるが、福井県は船盛り発祥の地とも言われている。出港を待ち続ける器が物悲しい。

最盛期には年間1000台ものバスを受け入れ、舞幸は非常に繁盛していたようだ。
無造作に立て掛けられた感謝状が、盛者必衰の無常を感じさせる。

荒れ果てた宴会場。どうやら羽目を外し過ぎたようだ。

福井県は「越前がに」という名称を地域団体商標に登録している。
越前がには、福井県内の特定の漁港※1で水揚げされた、雄の楚蟹だけが名乗ることを許された最高級のブランド蟹である。
皇室に献上される越前がには、正しく「冬の味覚の王者」の名に相応しい。

舞幸を心霊スポットなどと呼ぶ者もいるが、ここで何故霊が出るのかを教えて欲しい。蟹の霊が出るというなら話は別である。

殆どの机が、腹筋運動をしているかのように折れ曲がっている。文字通りバキバキである。

サンシェードに描かれた蟹の絵。蟹に対する強い拘りが感じられる。

何処を切り取っても蟹だらけ。影響され易い私は、既に蟹が食べたくて仕方が無い。
団体客用エスカレーター

展望台はジャングルと化している。最後に舞幸の代名詞である、団体客用のエスカレーターへ。

独特な照明が印象的なエスカレーター。止まったエスカレーターを駆け回るという、非日常的な経験が出来た。
そろそろお腹も空いてきた。私の頭の中は蟹で埋め尽くされている。舞幸に別れを告げ、美味しい蟹を食べに行こう。
廃墟評価
| 廃墟退廃美 | B |
| 到達難易度 | C |
| 廃墟残留物 | A |
| 崩壊危険度 | C |
| 廃墟化年数 | C |
廃墟評価の詳細はこちら。
脚注
※1^ 越前漁港、三国港、敦賀港、小浜港が越前がにの水揚げ港となっている。