伊香保観光ホテルは、群馬県渋川市に位置する廃ホテルである。
国内有数の歴史を持つ温泉地「伊香保温泉」は、草津、水上、四万温泉と並んで「群馬四大温泉」として知られ、連日多くの観光客で賑わっている。
朽ち行く登録有形文化財

伊香保温泉の玄関口に佇む古びた看板。物好きな廃墟マニアを誘うかのようだ。

鬱蒼とした道を歩いて行くと、伊香保観光ホテルがその姿を現す。
創業は大正初期にまで遡る。現存する建物は二代目で、外国人向けのホテルとして建てられたものである。昭和初期の貴重な意匠が残ることから、平成10年には登録有形文化財に登録されている。
平成19年、宿泊者数の減少に伴い閉業。放置され朽ちるが儘となっているが、登録有形文化財の登録は未だ抹消されていない。

早速館内へ。美しいと評判の大広間へ行こうにも、崩落した天井が行く手を阻み、これ以上進めそうにない。

何とか迂回して、大広間へ辿り着いた。
見るも無残な姿となった大広間は、何時倒壊しても可笑しくない。巻き添えを食らう前に退散しよう。

美しい木彫りの螺旋階段は、伊香保観光ホテルのもう一つの見所である。

この辺りも、建物の傷みが非常に激しい。カメラのバッテリー残量が殆ど無かったため、要所だけの撮影となってしまったことが悔やまれる。
伊香保観光ホテルは、一部の廃墟マニアの間で「群馬のマヤカン」とも呼ばれている。朽ち行く登録有形文化財の、最期の日は近いだろう。
廃墟評価
廃墟退廃美 | A |
到達難易度 | C |
廃墟残留物 | B |
崩壊危険度 | S |
廃墟化年数 | C |
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