川野ロープウェイは、東京都奥多摩町に位置する廃索道である。
昭和37年開業。奥多摩湖を横断する観光索道で、全長621.45m、両端高低差は0.65mであった。
短い運行期間

昭和のハイキングブームの最中、開業当初は多くの利用客を集めた。しかし、湖上横断の橋が完成し車で対岸への通行が可能になると、利用客数は激減した。
開業から僅か4年後の昭和41年、冬季休業名目で運行を一時停止。その後、運行が再開される事は無かった。

「奥多摩湖ロープウェイ」として広く知られているが、正式名称は「川野ロープウェイ」である。

残留物は非常に少ない。無機質な空間に私の足音だけが響く。

目を引く巨大な滑車。油のような臭いが漂っている。
くもとり号

愈々、待ちに待った乗り場へ。
搬器の乗車人員は最大36人。川野駅には「くもとり号」が、対岸の三頭山口駅には「みとう号」が夫々残っているが、みとう号は目も当てられない惨状となっている。

三頭山口駅に比べて、川野駅は監視の目が厳しい。
くもとり号には目立った損壊や落書きが見受けられず、私は心の底から安堵した。

運命を分けた2台の搬器。荒廃した三頭山口駅へ、足を運ぶ事はきっと無いだろう。
川野駅の平穏が、このまま何時迄も続きますように。
廃墟評価
廃墟退廃美 | A |
到達難易度 | B |
廃墟残留物 | B |
崩壊危険度 | C |
廃墟化年数 | A |
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