モテル北陸

モテル北陸は、石川県加賀市に位置する廃ホテルである。

アメリカ発祥のモーテルは、自動車で移動する旅行者向けの宿泊施設を指すが、日本ではラブホテルのイメージが強い。

日本最古のモーテル

藪を掻かき分けていくと、植物に覆われた建物が現れる。廃墟というよりも、遺跡の様な佇たたずまいだ。

開業は昭和38年1963。はっきりとした閉業時期は分かっていない。

モテル北陸はモータリゼーションを予見していたオーナーが、アメリカのモーテルをヒントに開業した「日本最古のモーテル」であると言われている。

錆びた鉄骨と、植物の調和が非常に美しい。

当時は車が通行出来ていたようだが、俄にわかには信じ難がたい。

室料は破格の1200円から、後に800円へ値下げとなった。

24時間営業で、500台もの車を収容可能な駐車場まで完備していた。

随所ずいしょに昭和の面影が残っている。

モテル北陸は、家族向けのホテルとして開業した。しかし、オーナーの意に反して、利用客の殆ほとんどがカップルであった。

日本独特のラブホテル文化は、ここから始まったと言っても過言では無い。

カップルの様に身を寄せ合うティーポット。

名残惜しいが、そろそろ帰路に就つこう。案内板のお陰で迷う事も無い。

思い出に浸る間も無く訪問から僅わずか数日後、日本最古のモーテルは解体され姿を消した。

廃墟評価

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