日本海の荒波が造り上げた奇岩や、険しい断崖が30kmに亘って連なる海岸「能登金剛」は、能登半島国定公園を代表する景勝地である。
ニュー金剛荘は、能登金剛の代表的な奇岩「機具岩」付近の高台に位置し、金剛の名を冠したその名に恥じない退廃美を見せてくれる。
崩れ落ちた木造部分
ドローンから撮影した写真を見てみると、その状態は一目瞭然。
日本海から吹き付ける潮風の影響だろうか。コンクリートの建物に繋がる木造部分が、大きく崩れ落ちている。
コンクリートの建物はやはり堅牢である。蔦に覆われているが、辛うじて「ニュー」の文字が読み取れる。
ニュー金剛荘をネット検索すると、未だに予約サイトが出てくる。駐車場は50台完備。それなりに繁盛していたということだろう。
ロビーは非常に散らかっている。
右手側は先程の崩壊した木造部分へ繋がっているが、到底進むことは出来ない。木造部分の探索は諦めるしかないようだ。
階段の踊り場が崩壊している。何とか瓦礫の山を乗り越え反対側へ。
蔦這う客室
広縁付きの立派な客室。営業当時は楚蟹と魚介料理を楽しみながら、日本海を見渡せたに違いない。
貝殻で作られた鶏の絵だろうか。
浴室にまで蔦が侵入してきている。植物の生命力は凄まじい。
客室を出て、錆び付いて穴だらけの外階段を上っていく。つくづく冷や汗が出るようなポイントが多い廃旅館だ。
屋上から足を投げ出し、眼下に広がる日本海と瓦礫の山を眺めてみる。ここには、私以外の人間は誰も居ない。この日の贅沢な経験を、私は一生忘れることは無いだろう。
廃墟評価
廃墟退廃美 | A |
到達難易度 | B |
廃墟残留物 | B |
崩壊危険度 | S |
廃墟化年数 | C |
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