上山医院は、岡山県美作市に位置する廃医院である。
上空から建物を見ると、漢字の「玉」のように見えることから、通称「玉の字の廃医院」と呼ばれている。
玉の字の廃医院

立派な門柱。如何にも古い廃医院といった感じだ。

繁茂した木々を掻き分けていくと建物が見えてくる。左側が医院、右側が住居である。

受付ではなく電話口。首のない人形が出迎えてくれる。

大きな医療機器のようなものが置かれているが、用途がさっぱり分からない。

左右に伸びる廊下の先に病室が並んでいる。木枠の窓が非常に美しい。

廊下の突き当たりに置かれた棚の中には、小さな薬瓶が残っている。

診察室は物色された形跡がある。床に付いた足跡が、訪問者の多さを物語っている。

生々しい「死亡診断書控」と書かれたノートが置かれている。

鉗子などの手術用の器具が多く残っている。手術を頻繁に行っていたのだろうか。

メスや注射針が落ちているため、転倒しないよう足元には要注意だ。

薄暗い調剤室。残留物が非常に豊富である。
単灯式無影灯

上山医院を象徴する美しい手術室。「シャリテイク」と呼ばれる単灯式の無影灯が印象的だ。
目の前に広がる憧れの光景。ゆらゆらと煌めく木漏れ日と一緒に、興奮と感動が押し寄せてくる。

閉院から30年以上の年月が経過し、手術室は部分的に壁が崩れている。

各々の残留物が、手術室の美しさを際立てている。

廃墟のイメージを払拭する明るい手術室。採光を考慮した大きな窓は、プライバシー保護のため下半分が磨りガラスになっている。
令和4年、カメラを買い替え再び訪れようとしていた矢先に、上山医院は解体されてしまった。非常に残念である。
廃墟評価
廃墟退廃美 | A |
到達難易度 | C |
廃墟残留物 | S |
崩壊危険度 | B |
廃墟化年数 | B |
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