秋田厚生年金休暇センターは、秋田県由利本荘市に位置する廃総合レジャー施設である。
ホテル、アイスアリーナ、テニスコート、レジャープールを備えた厚生年金保険の福祉施設で「道川のプール」の愛称で親しまれていた。
今回は時間が押しており、アイスアリーナとレジャープールに絞って見て行く。
アイスアリーナ
アイスアリーナへ続く通路は、木々に阻まれ通行出来そうに無い。
迂回してアイスアリーナへ。廃スケート場は初めての経験だ。
アイスアリーナの開業は昭和58年。見た目は綺麗である。
残留物は殆ど無い。道路から見えない位置にあるため、所々荒らされている。
氷が張られていないスケートリンクを歩く事は中々無い。これも廃墟ならではの経験だ。
某忍者が、アイスアリーナ内を駆け回っている。
珍しい廃墟という以外、特に見所は無い。大本命のレジャープールへ向かおう。
レジャープール
レジャープールは、昭和63年から営業を開始した。賑わいを見せていたチケット売場は、閑散としている。
営業が再開される事はもう無い。
可愛いイラストが描かれたパネルが哀愁を誘う。
この先はロッカールームだ。
ロッカーは全て撤去されている。かつては、1080人分のロッカーが設置されていたという。
プール用品の売店へ。浮き輪やカメラなどを販売していたようだ。
空気入れは1回100円。
窓の外にスクリュースライダーが見える。焦りは禁物だ。
注意事項を確認し、いざプールへ。
待ちに待ったスクリュースライダー。高さは10mあり、スライダーの全長は140mにも及ぶ。
写真で幾度となく目にした光景だが、実物の迫力は段違いだ。思わず鳥肌が立った。
営業当時に私も訪れてみたかったものだ。楽しくないわけがない。
城の堀のように、流れるプールがスクリュースライダーを囲んでいる。
中央へ渡るための橋が崩れ落ちている。
直線スライダーを滑って中央に渡れそうだが、今回は止めておこう。
休日は長蛇の列が続き、当時の子供達はこのプールを訪れる事が一種のステータスと化していたという。
幼児用の水深が浅いプールもある。
見慣れた形の25mプール。ここを訪れて、態々このプールを選ぶ者がいるかは疑問である。
堂々と鎮座するその姿は、正に昇り龍そのものだ。
東北地方の短い夏を彩った夢の跡。濁ったプールの中には、あの日の思い出が今も沈んでいる。
廃墟評価
廃墟退廃美 | A |
到達難易度 | C |
廃墟残留物 | A |
崩壊危険度 | B |
廃墟化年数 | C |
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