翁島ペンションは、福島県猪苗代町に位置する廃宿泊施設である。翁島と名が付けられているが、猪苗代湖に浮かぶ無人島「翁島」に位置する訳では無い。
心霊スポットとして非常に有名で「幽霊ペンション」や「お化けペンション」の名が定着している。
頓挫した開発計画
車を停め歩いて行くと、三角屋根のメルヘンチックな廃墟が目に入る。おとぎ話の世界に迷い込んでしまったかのようだ。
翁島ペンションが心霊スポットと言われる所以。それはとある噂が原因である。
その噂とは「オーナーが地下にあるワインセラーで自殺し、発狂した妻が息子を殺害した」というものだ。勿論これは事実無根の作り話である。
翁島ペンションは猪苗代町役場に「商用施設」として届け出があり、噂にある一家が居住していたという事実は無い。この建物は一帯で計画されていた大規模開発の施設の一つで、建設途中で計画は頓挫している。
中央の暖炉以外は、思っていたよりも造りがチープである。
建物内には瓦礫が散乱し、非常に歩き難い。地下室へと続く階段は埋められたとされているが、そもそも地下室自体存在しない事が明らかとなっている。
扉の残骸が横たわっている。心霊スポットと言われる廃墟は、人為的な破壊が目立つ。
暖炉脇の階段は崩れて使用出来ない。2階へ上ろうと試みた痕跡が残っているが、廃墟で無理は禁物だ。
再訪
紅葉と廃墟を撮影するため、秋に翁島ペンションを再訪した。写真を見比べてみると、前回よりも崩壊が進んでいるのが分かる。冬になれば、積雪によって更に崩壊が進むだろう。
廃墟としての旬は完全に過ぎ、美しい紅葉が無ければ目も当てられない。近づく冬の足音は、廃墟の終焉を告げる足音でもあるのだ。
廃墟評価
廃墟退廃美 | B |
到達難易度 | C |
廃墟残留物 | C |
崩壊危険度 | A |
廃墟化年数 | A |
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