砥草の廃医院

砥草とくさが群生する美しい廃医院の情報を入手し、山間部のとある集落を訪れた。

砥草とは、北海道から中部地方にかけて自生する植物である。砥草の茎を乾燥させたものは「木賊もくぞく」と呼ばれ、古くから生薬しょうやくとして利用されてきた。

木漏れ日と砥草

鬱蒼うっそうとした木々に覆われた、閉院して久しい廃医院。

辺りには砥草が群生し、時折差し込む木漏れ日が幻想的な雰囲気を醸かもし出している。

建て付けが悪く、玄関の扉はビクともしない。

院内は至る所に物が詰め込まれているため、非常に狭い。体を擦すりながら、何とか待合室へやって来た。

古い廃医院で目にする札ふだがある。床が抜けているため、撮影も一苦労だ。

苦労の甲斐かいあって、整然せいぜんと並ぶ薬瓶を漸ようやく目にすることが出来た。

山間部の集落に、このような廃医院が残っているとは誰も思いもしないだろう。

落ちていた薬袋やくたいによると、ここは内科と小児科を専門に診療を行っていたようだ。薬瓶の多さにも納得がいく。

短時間で見終わってしまう小さな廃医院には、詰め込まれた物同様、廃医院の良さが詰め込まれていた。

廃墟評価

廃墟評価の詳細はこちら。