美しい山容から「諏訪富士」と称される蓼科山、高原を縫うように走るビーナスライン、リゾートホテルが建ち並ぶ白樺湖周辺。
標高が高く夏場でも比較的涼しい白樺高原は、避暑地として人気を集める一方、廃墟化した建物がやや目立つ、光と影のある観光地である。
純白の廃教会
白樺高原には、白樺湖と女神湖の二つの人造湖が存在する。
女神湖の畔に残る聖ソフィア白樺高原教会は、既に解体されている「ホテルグランビュー蓼科」に併設されていた教会であった。
廃教会へと続く道に、木々に埋もれかけたライオンの像が残っている。
美しいロケーションと美しい言葉の響き。薄暗く黴臭い廃墟ばかり訪れている私は、眩暈を起こしそうだ。
白樺の森に溶け込むような美しい廃教会。
「純白」という言葉が、これほど似合う廃教会が他にあるだろうか。正しく、結婚式に相応しいロケーションだ。
近づいてみると傷んでいるのがよく分かる。階段は崩れ、急な坂になりつつある。
黴臭いバージンロード。結婚式の途中で、突然廃墟になってしまったかのようだ。
一度屋根に穴が開いてしまうと、建物は急激に朽ちていく。豪雪も相俟って、数年後には崩壊する可能性すらある。
一時期、この場所で結婚式を挙げた人々による保存活動の動きがあったというが、実現に至ることは無かった。
何も出来ないまま建物は朽ちていくばかりであったが、遂に廃教会は解体されてしまった。
廃墟評価
廃墟退廃美 | A |
到達難易度 | C |
廃墟残留物 | B |
崩壊危険度 | C |
廃墟化年数 | C |
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