房総半島を南北に縦断する国道410号線は「房総半島の背骨」とも称される。
かつての旧道は道幅が非常に狭く、小型車の離合さえ困難な酷道として有名であった。
旧道の中間地点に位置する三島隧道は、平成5年の君鴨トンネルの開通により役目を終えた。
危険な旧道区間
三島隧道へのアクセスは容易ではない。国道410号線に沿うように走る旧道は所々が土砂に埋もれ、法面の崩壊も見られる。
三島隧道で注意すべきなのは山蛭の存在である。気付かぬうちに体を這い上がってきた山蛭に吸血されると、口から分泌する成分が血液凝固を阻害し、傷口からの出血が止まらなくなる。
生命に危害が及ぶことは無いが、一瞬で戦意喪失へと追い込まれてしまう。蛭用の忌避剤は必須アイテムである。
苔生した廃車
幾多の恐怖を乗り越えた先には、息を呑むような光景が広がっていた。
苔生した廃車が、カメレオンのように周囲に同化している。車種はランドクルーザーシグナスで、盗難車だと言われているが定かではない。
剥がされたバリケードの先が気になって仕方がない。じっくりと眺めていたいところだが、足元の山蛭がそうはさせてくれない。
後ろ髪を引かれつつ、取り残されたランドクルーザーへ別れを告げた。
廃墟評価
廃墟退廃美 | S |
到達難易度 | S |
廃墟残留物 | – |
崩壊危険度 | B |
廃墟化年数 | B |
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