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卑弥呼の里

卑弥呼ひみこの里は、熊本県産山村うぶやまむらに位置する廃リゾート施設である。

現在残っている施設は、ビラセンターホテルのみとなっている。

頓挫した開発構想

ビラセンターホテル

昭和53年1978、総合リゾート施設「卑弥呼の里」開発構想が発表される。デベロッパーは「株式会社ドッパー」であった。

昭和56年1981、第一期工事が竣工しゅんこう。同年7月には、南こうせつによる野外コンサート「第1回サマーピクニック」が開催され、人口2000人の産山村に8000人もの観客を動員した。

誰もが順風満帆じゅんぷうまんぱんと思っていた矢先の昭和57年1982、ドッパーが倒産。産山村の希望の光は、はかな水泡すいほうに帰した。

とある部屋に、卑弥呼の里に関する冊子が大量に残っている。当時を知る事が出来る貴重な資料だ。

卑弥呼の里は村を挙げた一大プロジェクトであり、全ての施設が完成すれば多くの雇用が生まれるはずであった。

完成予想図

卑弥呼の里の完成予想図が落ちている。その大きさは一目瞭然だ。

卑弥呼が統治していた邪馬台国やまたいこくの位置は、未だに判明していない。主に「畿内きない説」と「九州説」の2つが有力視されているが、個人的には九州説をしたい。

未完成ホテル

内装工事の着工前にドッパーが倒産し、ホテルはそのまま放置されている。そのため厳密には廃墟ではなく、未完成物件である。

自動ドアが取り外されている。

フロント

薄暗いフロント。どうやら歓迎されているようだ。

変わった形のシャンデリアのようなものがある。

「阿蘇実験考古学研究所」と書かれた看板が落ちている。これは一体。

ロビー

何も残っていない分、想像力がき立てられる。

ガラス張りの部屋にバスタブが放置されている。

辺鄙へんぴな場所にもかかわらず、グラフィティが目立つ。

人為的に破壊されたような跡がある。美しさや面白味はほとんど無い。

通路誘導灯をはめ込むための窪みだろうか。

ホテルはコの字のようになっている。雄大な草原の中に佇む姿は何とも物悲しい。

もし全ての施設が完成し、それらが全て廃墟化して残っていれば、とんでもなくワクワクする場所になっていたであろう。

廃墟評価

廃墟退廃美C
到達難易度B
廃墟残留物C
崩壊危険度B
廃墟化年数A

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