廃病院の情報を頼りに、とある地へ足を運んだ。
この一角だけが鬱蒼としており、いかにも廃墟といった雰囲気だ。
ヤマハ音楽教室
木々が伸び放題で、建物の全貌を把握することが出来ない。
門柱には「〇〇病院」と書かれている。向かい側で同名の医院が診療を行っており、何か関連があるのかもしれない。
院内はある程度整理されているため、あまり面白くない。
薬棚も全て空だ。私が好きな薬瓶も残っていないだろう。
扉には病院名ではなく「ヤマハ音楽教室」と書かれている。閉院後は音楽教室として使用されていたのだろうか。
小さな部屋に残る音楽教室の面影。元が病院だと子供たちが怖がりそうだが。
院内は思っていたよりも広く、入院用の病室も備えている。
病室に残る内診台。ここは産婦人科の病院だったようだ。
産婦人科特有の残留物がちらほら目に入る。この粉ミルクの実物を、他の廃医院で目にしたことがある。
ガラスを隔てた向こう側に保育器が残っている。
保育器の丸い部分が顔のように見え、まるで可愛いロボットと面会しているかのようだ。
この扉の先が手術室となっている。廃病院で一番期待が高まる瞬間だ。
手術室
「シャリテイク」と呼ばれる単灯式の無影灯。「微笑む少女の廃医院」でも同じものを目にした。
無影灯が残っている廃病院は、残留物が少なくともポイントが高い。わざわざ足を運んだ甲斐があった。
廃病院が面している道路は車通りが殆ど無い。泣き声が響いていた院内は無音に包まれている。
現在、医療業界では産婦人科医が不足し問題となっている。出生率の減少や、医療訴訟のリスクが高いことが原因として挙げられる。日本の未来はこれから先どうなっていくのか。そんなことを一人で考えていた。
廃墟評価
廃墟退廃美 | B |
到達難易度 | C |
廃墟残留物 | B |
崩壊危険度 | C |
廃墟化年数 | B |
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