恵那峡ロープウェイは、岐阜県恵那市に位置する廃索道である。
昭和43年開業。木曽川沿いの遊園地「恵那峡ランド」内の蛭川駅から、対岸の恵那峡駅までの717mを結んでいた。
遊園地とロープウェイ

恵那峡第一駐車場の整備に伴い、恵那峡駅へと続く階段は解体されている。
そのため、観光客の目を盗んで急斜面を登る必要がある。夏場は厳しい戦いになるだろう。

平成12年、入園者数の減少により恵那峡ランドが閉園し、恵那峡ロープウェイは運行休止となった。
2年後の平成14年、恵那峡ランドは「恵那峡ワンダーランド」と名を変えリニューアルオープンを果たしたが、ロープウェイの運行が再開されることは無かった。

最盛期は15分間隔で運行し、恵那峡大橋が開通するまでは、地域住民の移動手段の一つでもあった。

恵那峡ロープウェイは、現在も休止扱いのままである。
しかし、施設の老朽化を踏まえると、運行再開は現実的ではない。

事実上の廃止となった恵那峡ロープウェイ。
鮮やかな造花が、錆び付いた制御盤に彩りを添える。

そろそろ、憧れの搬器へ会いに行こう。
丸型の搬器

最大乗車人員38名の搬器は、思いの外大きく威圧感がある。
まるで、宇宙船のような独特なフォルム。このまま宇宙へ飛び立ってしまいそうだ。

昭和62年生まれのシルバー号。対となる相棒の名はゴールド号である。
32年間の運行お疲れ様でした。

朽ちていく恵那峡駅とは対照的に、恵那峡ワンダーランドは現在も営業を続けている。
木曽川が隔てる絶妙な距離間。蛭川駅に眠るゴールド号にも、いつの日か会いに行こう。
廃墟評価
廃墟退廃美 | S |
到達難易度 | B |
廃墟残留物 | A |
崩壊危険度 | C |
廃墟化年数 | B |
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