黒潮荘は、兵庫県洲本市に位置する廃旅館である。
玉葱の栽培が盛んな事で知られる淡路島。淡路島の廃墟と言えば、真っ先に黒潮荘を思い浮かべる者も多い。それ程までに有名な廃墟である。
目印の廃バス
急な山道を暫く歩いて行く。野犬が生息しているとの噂があり、一人は非常に心細い。
放置された廃バスが見えてくると、黒潮荘までは残り数分だ。
漸く黒潮荘へ到着。着く頃には汗だくで、外観の撮影を忘れてしまった。
コンクリートの建物は堅牢だが、内部は著しく老朽化が進んでいる。
面白味はあまり無い。少し休憩でもしようか。
色褪せた空間に赤色の階段が映える。
生憎の天気だが眺めは良い。当時のパンフレットによると、宿泊料金は一人6500円であった。
ポップな空間
黒潮荘が有名たる所以、それはエントランスにある。
エントランスのあまりの美しさに言葉を失った。かつて同じ高さに並んでいた照明傘が、天井の腐食により様々な高さに垂れ下がっている。
黄色とオレンジ色の照明傘、青色の椅子、緑色の苔。これらが組み合わさり、廃墟のイメージを一掃するポップな空間を演出している。
淡路島を訪れてから数年後、何の前触れも無く黒潮荘は突然解体されてしまった。たとえ解体されようとも、目に焼き付けた唯一無二の光景を私は忘れる事は無い。
廃墟評価
廃墟退廃美 | S |
到達難易度 | A |
廃墟残留物 | B |
崩壊危険度 | B |
廃墟化年数 | B |
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