三縄発電所は、徳島県三好市に位置する廃発電所である。
祖谷川沿いの斜面に、美しい赤煉瓦の廃発電所が残っている。
赤煉瓦の廃発電所

竣工は大正元年。祖谷川の水流を利用し、当時の四国では最大の出力を誇る水力発電所であった。
徳島と香川の2県に送電し、町の工業発展に大いに寄与した。昭和34年、新三縄発電所の竣工により、旧三縄発電所は役目を終えた。

斜面に位置するため、道路から三縄発電所は全く見えない。
普通に運転していると、その存在に気付くことは無いだろう。

窓から巨大な岩が顔を出している。何故、こんな場所に岩があるのだろうか。

赤煉瓦の壁を這う蔦が美しい。人為的な破壊や落書きは一切無い。

外観は程々にして、建屋へ入ってみよう。

建屋内は息を呑む美しさである。
トタンの屋根が崩落せずに、辛うじて残っていることに驚いた。

斜面側の建屋は土砂に埋もれており、嘗て土砂崩れが発生したことを示唆している。
ここで漸く謎が解けた。先程の岩は、土砂崩れによって窓まで運ばれたようだ。

発電機とタービンを繋いでいた巨大な穴。廃発電所では、お馴染みの光景である。
穴に気付かずトタンに体重を掛けてしまうと、容易に踏み抜いてしまうだろう。

撮影に夢中になっていると、後から来た廃墟マニア二人組に遭遇した。
軽く会釈をして、お互い特に言葉を交わすことは無い。カメラのシャッター音だけが響く建屋内に、多少の気まずさを残して、私は三縄発電所を後にした。
廃墟評価
| 廃墟退廃美 | S |
| 到達難易度 | B |
| 廃墟残留物 | C |
| 崩壊危険度 | B |
| 廃墟化年数 | S |
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