満開の桜が春を告げ、大嫌いな冬がようやく終わった。待ち望んだ廃墟シーズンの到来に心が躍る。
新年度最初の廃墟は、以前から存在を把握していた廃テニスコートである。
露わになった骨組み
山間にポツンと残るドーム。屋根が抜け落ち、骨組みが露わになった姿が印象的だ。
ここはとあるリゾートホテルの附属施設である。ホテルは一度営業を停止した後リニューアルオープンとなるが、テニスコートはそのまま放置されている。
クラブハウスは施錠されている。中は特に見所が無さそうだ。
パラレルワールド
水溜まりに映るパラレルワールド。大雨の後はコート全体が鏡と化し、素晴らしい光景に出会えるだろう。
心地良い春の陽気。屋根が抜けているおかげで、ドーム型廃墟特有の蒸し暑さが無い。
ポールとネットは撤去され、コートのラインだけが残っている。
屋根の残骸がコート中に散らばっている。大きな照明が落下してこないか心配だ。
朽ちたコートに色褪せたテニスボールが良く似合う。
骨組みの湾曲具合が、東北地方の廃プール「スパガーデン湯~とぴあ」にそっくりだ。負けず劣らず、どちらの廃墟も私は好きだ。
反対側からコートを見渡してみる。逆光で違った雰囲気が楽しめる。
頭上を見上げれば大きな蜂の巣がぶら下がっている。コートの端から徐々に植物の浸食が進み、夏は更に美しさが増すだろう。
この廃墟には伸び代がまだまだある。更に美しく朽ちた頃に再訪したいお気に入りの廃墟となった。
廃墟評価
廃墟退廃美 | A |
到達難易度 | B |
廃墟残留物 | C |
崩壊危険度 | B |
廃墟化年数 | C |
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