恵山モンテローザは、北海道函館市に位置する廃リゾート施設である。
営業当時は、豪華絢爛な雰囲気が評判を呼び、遠方から態々足を運ぶ者も少なくなかった。
大規模開発計画

バブル全盛期の昭和63年、札幌の鉄鋼加工メーカー三井は、地元資本のホテル「恵山高原ホテル」を買収し「恵山モンテローザ」を開業。同時に、複合リゾート施設の開発に乗り出した。
第一期工事の予算は、驚きの300億円。巨額の資金を投じて、悪趣味な施設が次々と建てられていった。

平成3年、予算の約4分の1にあたる70億円を投じたところでバブルが崩壊。開発計画は頓挫し、客足も徐々に遠のいていった。
平成9年にはホテルを閉鎖し、日帰り温泉のみの営業となった。

平成11年、経営元の三井が倒産。バブルの夢は文字通り水泡に帰した。

閉業後は心霊スポットと噂されるようになり、人為的な破壊が目立つようになった。

それに加えて、積雪による建物の劣化も著しい。

色褪せた館内に、レッドカーペットが良く映える。

床が腐り落ちていて、非常に危険な状態だ。

大広間の畳は、荒れ狂う波のようになっている。

レッドカーペットを歩いて行くと、唐突に飛石が敷かれた廊下が現れる。コンセプトが謎である。

苔生した灯籠が目に入る。この辺りだけ、日本庭園をイメージして造られているようだ。

大浴場へ繋がる廊下も、朽ちていて通れそうにない。

お洒落な電話ボックスがある。上階の客室を見に行こう。

客室はどれも似たような造りで、面白味は全く無い。
唯一、木が生えたこの客室だけは美しさを感じる事が出来た。
バブルの遺産

閉業後、恵山モンテローザの跡地は旧恵山町が買収し、残っていた施設は売りに出された。
買い手が付かなかった施設は、現在も放置されている。

この辺りは羆の出没地域である。最後に、危険を冒してでも見ておきたかった施設へ。「金龍閣」と名が付けられているが、これは金閣寺そのものである。
私が生まれる前の煌びやかな時代。何でも有りのバブルの異常さを垣間見た気がした。
廃墟評価
廃墟退廃美 | B |
到達難易度 | B |
廃墟残留物 | B |
崩壊危険度 | A |
廃墟化年数 | B |
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