探していた廃医院の所在地が、北海道である事が判明した。
九州から北海道までの距離は約1900km。寄り道をし過ぎたせいか、到着する頃には走行距離が3000kmを超えていた。
雨漏りだらけ
外観は比較的綺麗だが、雨漏りによって院内は傷んでいる。
診療科目がわからない。ヒントになるような残留物はないだろうか。
待合室の床は非常に脆く、まるで薄い煎餅の上を歩いているかのようだ。体重のかけ方を間違えると、一瞬で床を踏み抜いてしまう。
それに加えて、ガラス張りとなっている待合室。一瞬たりとも気が抜けない。
枯れた観葉植物と、色鮮やかな造花が哀愁を誘う。
特殊簡易公衆電話は、俗に「ピンク電話」とも呼ばれ、設置した施設が管理する公衆電話である。平成生まれの私でも、どこか懐かしさを感じてしまう可愛らしいフォルムだ。
受付の裏側へ。美しく朽ちた待合室が見渡せる。
錠剤が数多く残っている。なかには劇物も見受けられる。
カレンダーによると、この廃医院は平成2年頃に閉院したようだ。ネットで検索してみたが、情報が全くと言っていいほど出てこないため、お手上げ状態である。
診察室も雨漏りしている。堅牢な建物も豪雪には敵わない。
消毒液が入っていたであろう皿。わかめスープに見えて仕方が無い。
嘴管瓶の状態が非常に良い。自宅に飾りたいくらいだ。
見たことの無い機器が残っている。自転車と繋がっているが、リハビリ機器のようなものだろうか。
翡翠色の無影灯
いよいよ本命の手術室へ。夢にまで見た無影灯が直ぐそこに見えている。天井が降ってこようが、床が抜けていようが足踏みなどしていられない。
ようやくこの目で拝むことが出来た無影灯。手術室も雨漏りが酷く、水の滴る音が響いている。天井が崩れ、無影灯が落ちてしまう日も近いだろう。
気付けば手術室だけで、1時間以上撮影を行っていた。
北海道遠征は、まだまだ予定が目白押しだが、既に満足してしまっている。残りの廃墟を心から楽しめるだろうか。そんな不安が過る素晴らしい廃医院であった。
廃墟評価
廃墟退廃美 | A |
到達難易度 | B |
廃墟残留物 | B |
崩壊危険度 | A |
廃墟化年数 | B |
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